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アトピー性皮膚炎とは

アトピー性皮膚炎とは、アトピー型気管支ぜんそく、アレルギー性鼻炎、皮膚炎のじんましんを起こしやすいアレルギー体質の上に、さまざまな刺激が加わって生じる痒みを伴う慢性の皮膚疾患です。
年齢性別を問わず悩まれている方が多いと思います。



アトピー性皮膚炎の治療

アトピー性皮膚炎の治療は、正しい診断をした上で、アトピーの原因や悪化因子を見つけその対策を行います。
治療は主に皮膚の機能を整えていくスキンケア、そして薬物療法となります。
アトピーの原因、悪化因子は年齢によっても変わってきます。

  • 2歳未満・・・食物、発汗、環境因子、細菌真菌など
  • 13歳以上・・・環境因子、発汗、細菌真菌、接触抗原、ストレス、食物など
しかし患者さんによって原因がまったく違う場合も多くみられますので、それらを十分確認してから治療を始めていきます。



スキンケアによる症状の緩和と治療

アトピー性皮膚炎は、皮膚のかさつき、かゆみに敏感になる、細菌やウィルスに感染しやすくなるといった症状がありますが、皮膚の状態を正常に保つことで症状は緩和されます。
そのための方法がスキンケアになります。



皮膚を清潔に保つ


  • 皮膚についた汗や汚れは速やかにおとし、強くこすらないようにしましょう。目に見えるほど肌が汚れることは少ないとおもいますので、皮膚を傷つけないことに注意しやさしく洗ってあげてください。
  • せっけんやシャンプーを使用するときは洗浄力の強いものを避け、十分にすすぎをしてください。残ったせっけんなどが皮膚を痛める原因になることもあります。
  • 痒みを生じるほどの高温での入浴や、入浴後にほてりを感じるような入浴剤の使用は避けましょう。皮膚の温度があがることで、かゆみなどが出る場合があります。

入浴後は一番皮膚がきれいな状態になりますので、適切に外用剤を塗り早めの就寝をこころがけてください。



皮膚の保湿


  • 入浴やシャワー後は必要に応じて保湿剤を使用しましょう。 皮脂が少なくなった状態になりますので、適量の保湿剤をしてあげるとよいでしょう。

保湿剤は使用感のよいものを選んでください。長くスキンケアを続けていくためにも、気持よく使えるというのは大切なポイントになります。



その他


  • 室内を清潔にし、適切な温度と湿度を保つ。
  • 新品の肌着は使用前に水洗いする。
  • 洗剤はなるべく界面活性剤の含有量の少ないものを使用する。
  • 爪を短く切り、なるべく皮膚を掻かないようにし、患部に傷がつくのを予防する。

たくさんの項目がありますが、なるべくご自身が気持ちよくすごすことが大切になります。普段から、ご自身の皮膚の状態に向き合って生活してみると症状が出るときにも対策がしやすくなってくると思います。



アトピー性皮膚炎の薬物療法

薬物療法は主にステロイド剤の塗り薬(外用薬)や、かゆみの症状が強い時は飲み薬(内服薬)を使います。

ステロイドという言葉でけんえんされる方もいらっしゃいますが、一口にステロイド剤といっても薬の強さなども多様で、症状や使う部位によってしっかりと使い分ければ、怖がる必要はありません。

現在すでにステロイド剤をご使用の場合でも、長期使用後に突然中止すると症状が悪化する事もあります。もしステロイド剤を中止したいとお悩みの場合などもお気軽にご相談下さい。

また、今はステロイドに換わるタムロリスク(プロトピック)という、アトピー性皮膚炎専用の塗り薬も発売されています。

アトピー性皮膚炎の程度によっては、ステロイドを含まない外用薬、抗ヒスタミン薬、抗アレルギー薬を使用する場合もあります。 症状の改善とともに速やかにステロイド外用薬の使用回数を減らし、その代わりにステロイドを含まない保湿剤に徐々に変えていく事を、おすすめしています。

治療が長引く病気ですので、なるべくストレスの少ない治療を一緒に続けていければと思います。



薬物治療の副作用

ステロイド外用薬の副作用としては、皮膚の萎縮、血管拡張、毛のう炎などが主なものです。特にお顔にステロイドを不適切に使用した際に副作用が出やすい傾向がありますので、やむなく使用する場合は、効き目の弱いものを短期間にとどめ、経過を見るように注意しております。

症状が軽くなるとともに、ステロイドを塗る面積や量、時間などで変え、保湿剤へと切り換えていきます。身体や四肢でのステロイドの使用は、比較的副作用が出にくいようです。

また、ステロイドの飲み薬を使用する場合にみられる高血圧、糖尿病、電解質異常、精神神経症状などは外用薬ではほとんど見られません。

その他、抗ヒスタミン薬、抗アレルギー薬の副作用としては、眠気、だるさなどが主なものです。

アトピー性皮膚炎は、症状の出方原因などさまざまで、また長期の治療はご本人やご家族が疲れてしまう場合があります。あせらずじっくりお話をしながら治療をすすめていきましょう。